Cookie を使用するGoogle Analytics でSEO/SEM 効果を分析する際に注意すべきこととは

Google Analytics(グーグルアナリティクス)は、Webサイトの利用者がどうやってサイトを訪問したか分かるキーワードや参照元などのトラフィック関連のデータ作成にCookie(クッキー、Cookie名は__utmz、以下__utmz cookie)を使用しています。(下図参照)

Google Chrome における__utmz cookie 表示例
Google Chrome における__utmz cookie 表示例

__utmz cookie の有効期限は、デフォルトでは6ヶ月です。Analytics では、__utmz cookie の有効期限が経過するか上書きされない限り、__utmz cookie 情報を使用してトラフィック関連のレポートが作成されます。

Analytics は、無料のアクセスログ解析ツール「AWStats」など、Cookie を使用せずにReferrer(リファラー)のみを使用してレポートを作成するサーバーログ型の解析ツールとは、キーワードなどのトラフィック関連のデータに大きな違いあります。
そこで、今回はAnalytics のセッション数を例に、Analytics のトラフィック関連のデータ、数字を把握する上での注意点などをご紹介します。

Analytics のキーワードのセッション数は、
実際に検索結果ページを経由したサイト流入数と一致しない

さて、突然ですが、ここで問題です。
例えば、2009年6月29日に下記のようなサイト訪問があった場合、Analytics でのキーワードと参照元のセッション数はいくつになるでしょうか。

セッション(1) 10:00 Googleで「アズネット」と言うキーワードで検索を行い、検索結果ページを経由してサイト(www.az-net.com)を訪問した。
10:10 Internet Explorer の「お気に入り」にサイト(www.az-net.com)を登録してサイトを離脱した。
セッション(2) 13:00 Internet Explorer のお気に入りを使用して、サイトを訪問した。
13:10 サイトを離脱した。
セッション(3) 17:00 ブラウザーのアドレスバーにURL(www.az-net.com)を直接入力して、サイトを訪問した。
17:10 サイトを離脱した。

上記例の参照元「google」とキーワード「アズネット」のセッション数は次の通りになります(*)。

Google Analytics 参照元 レポート(例)
Google Analytics 参照元 レポート(例)

Google Analytics キーワード レポート(例)
Google Analytics キーワード レポート(例)

上記例における参照元とキーワードのセッション数は、検索エンジンの検索結果ページを経由してサイトに流入したセッション(1)ばかりではなく、お気に入りを使用して訪問したセッション(2)ブラウザーのアドレスバーにURLを直接入力して訪問したセッション(3)も含まれています。
つまりセッション数は、検索結果ページを経由した実際のサイト流入数とは一致しません。

そこで注意して頂きたいのは、実際のサイト流入数とは一致しないセッション数の読み方です。
しかしあまり大事に考える必要はなく単純に、例えば、セッション数からキーワードの人気度を読み取るとよろしいかと思います。Analytics の仕組みを理解して、SEOSEMで設定したキーワードや広告などの効果を分析するだけです。

(*) セッションの有効時間はAnalytics でデフォルト設定されている30分とします。
(*) 利用者は同じブラウザーを使用してサイトを訪問したと仮定します。
(*) サイト滞在中に利用者のブラウザーが閉じるか終了されることはなかったと仮定します。

__utmz cookie 情報が上書きされるケースは?

Analytics では、お気に入りやブックマークを使用したサイト訪問(Analytics でノーリファラーとして分類されているセッション)によって、__utmz cookie の情報が上書きされることはありません。
__utmz cookie の情報が上書きされるサイト訪問(セッション)は、次のケースがあげられます。

  • 検索エンジンにおける検索結果ページ経由のサイト訪問
  • AdWords 広告経由のサイト訪問
  • utm_source などのキャンペーン変数を使用したリンク(キャンペーン トラッキングURL)経由のサイト訪問
  • 新しいセッションにおける参照サイト経由のサイト訪問
    ※現在のセッションが有効である場合、異なる参照サイトを経由してサイトを再訪問しても__utmz cookieは上書きされません。

AdWords のクリック数とAnalytics のセッション数が一致しない理由

Google AdWords を利用されている方はご存知かと思いますが、AdWords キャンペーン レポートのクリック数とAnalytics のセッション数は大抵一致しません。これはAnalytics の仕組み上もっともな結果であり、もちろんAnalytics やAdWords システムのバグなどではありません。

AdWords のクリック数とAnalytics のセッション数が一致しない理由が「Analytics ヘルプ」で紹介されていますが、お気に入りを使用した場合でも__utmz cookie(トラフィック情報)が6ヶ月間有効であるAnalytics の仕組みも理由の一つとしてあげられます。また、既に終了したAdWords 広告キャンペーンがキャンペーン終了後にレポートされるのも、Analytics の仕組みによるものです。

Cookie の使用によって、2回目以降の訪問もトラフィック関連のデータを把握できる

最後に、Analytics のようなCookie を使用してキーワードなどのトラフィック情報を管理するウェブ解析ツールの特長として、初めてのサイト訪問後も利用者の訪問経路の分析が可能な点があげられます。

特に企業間取引サイトでは、初めてのサイト訪問で資料請求や購入に至る率は低く、何度かサイトを訪れてサービスや製品に関して調べてから資料請求や購入に至る率が高い傾向があります。
Referrer だけを使用して、キーワードや参照サイトなどのレポートを作成するログ解析ツールの場合、お気に入りやブックマークを使用されると、2回目以降のサイト訪問の際に、利用者がどうやって自社サイトを知ったのか把握できません。
Cookie の有効期限が過ぎるか削除されない限り、2回目以降のサイト訪問であっても、利用者が使用したキーワードや参照サイトなどのデータを得られるのはAnalytics の大きな特長です。



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