メキシコで苦労したのは何と言っても言葉です。
メキシコなど中南米の国のほとんどではスペイン語が公用語となっていますが、スペイン語...勉強したことありませんよね。
実はメキシコに来たのは初めてではなく、過去にかれこれ10回程度訪れていました。しかし旅行と暮らすことは違って、たまに遊びに来てもすぐにスペイン語が必要でなくなる訳ですから直ぐに忘れてしまい、覚えていたのは大好きなビール、トイレなど、旅する上で自分が最低限必要な単語だけでした。
日本の英語教育のような文法重視の勉強ではなく、日々の生活からスペイン語を身に付けたかったということもあり、これまでスペイン語をまともに勉強したことがありません。これも言い訳ですが、やって来た当初は知り合いの語学学校に通うつもりでした。しかし言葉よりもブーツ販売をどうするか考えなくてはならなくなってしまい、そのままずるずると仕事にばかりに時間を費やしてきてしまいました。それでも今年の2月から日本語を勉強したいアミーガのイメルダと語学交換(お互いに語学を教えあう)を始めたところでしたが、彼女のお母さんが病気になってしまったため、残念ながら途中で立ち消えてしまいました。
仕事をする上でとにかくコミュニケーションを取らなくてはならず、身振り手振りで相手に伝え相手を理解する努力をしてきましたが、やはり限界があって後で誤解が生じていたことが分かることもしばしばでした(自分で責任を負わないために嘘をつかれ誤解ではなかった場合もありそうですが)。自分の理解と異なるために、やっと組み立てた販売方法を再検討しなくてはならなくなりくじけそうになることもあったけど、スペイン語が話せない私に根気強く付き合って理解しようと努力してくれるメキシコ人に励まされたことは決して忘れません(アミーゴ! ありがとう)。そんな優しいメキシコ人でなかったら、言葉の問題だけでメキシコが嫌いになっていたに違いありません。
言葉を理解できないことから、自分だけの力では何もできず、地に足が着いていないように感じる時期が長く続きました。自分の努力不足を感じつつも、仕事を言い訳に自分を甘やかして勉強をしなかったのは反省すべき点です。
でもメキシコに来た頃の自分を振り返られて「全くスペイン語が話せなかった」とからかわれながらも、最近になってようやく意思の疎通が図れるようになったような気がしています。意思を伝えたくて何て言おうかじっと考えても結局言葉が見つからず、当時働いていた正人君に「お願い」してばかりいたことを思えば、まだまだビジネスレベルではなくても大分スペイン語が理解できるようになったのは確かです(...と信じたい私)。